オーストリアの首都ウイーンに行ってみたいんだ。どんな街? 見どころは? 観光に何日くらい確保していたらいいの?
ハイ、ノスタルジックとモダンが融合したとても素敵な街です。そんなに大きな街ではありませんが、見どころが多いので、最低2日、できれば3日欲しいところです。
ウイーンについて
- ウィーンは、オーストリア東部のドナウ川沿いに位置する都市、ローマ時代の都市ウィンドボナが起源とされる。その後、ハプスブルク帝国の首都になり、ハプスブルク家の繁栄と同時に街は発展し、特にバロック様式の宮殿や庭園など当時の栄華が見られる壮麗な建物が点在。また「音楽の都」として多くの音楽家を輩出している街でもある。
ハプスブルク家は、オーストリア家とも呼ばれる、ヨーロッパの歴史上最も著名で重要な王朝の一つです。あのマリー・アントワネットもハプスブルク家出身ですね。
ウイーンの行き方
- 日本からウイーン空港への直行便
航空会社 | 出発地 | 到着地 | 機材 | 曜日 |
ANA | 羽田 | ウイーン空港 | B787-9 | 毎日 |
オーストリア航空 | 成田 | ウイーン空港 | B777-200 | 毎日 |
哲太郎はJAL派なのでウイーン直行便は乗ったことがないですが、ANAは羽田からウイーン直行便があるのですね。ウイーンは西ヨーロッパの真ん中だから便利かもしれないですね。
- ウイーン空港から市内へのアクセス
交通手段 | 所要時間 | 料金(1人) | 到着場所 |
---|---|---|---|
快速電車CAT(City Airport Train) | 16分 | 片道11€ 往復19€ | Landstrasse(ランドシュトラッセ) |
タクシー(FlughafentaxiまたはAirport Taxi) | 30分 | 25~28€ | 行先指定 |
空港バス Vienna Airport Lines | 30分 | 8€ | ルート有り |
電車 S-bahn | 30分 | 4€ | Landstrasse |
30分程度でウイーンの中心まで行けるんだな。東京駅と羽田空港って感じかな。
ウイーンの歴史
- 中世には交易地として栄えた集落が、13世紀、ハプスブルク家のルドルフ1世が神聖ローマ皇帝となり、ウィーンはハプスブルク家によって統治されます。
- 17世紀、ハプスブルク帝国の首都となり、オスマン帝国の侵攻を受けるものの、それを退けると18世紀以降、城壁がさらに外側に拡大すると街は拡大。
- 19世紀後半には、フランツ・ヨーゼフ1世が都市改造を行い、中世の城壁が壊され、リンクシュトラーセという環状道路がウィーン中心部を囲むようになる。
- ウィーンは、2000年以上の歴史を持ち、文化や音楽などの発展とともに、建築の発展の歴史も見られるのです。
フランツ・ヨーゼフ1世(在位:1848年 – 1916年)。全名はフランツ・ヨーゼフ・カール・フォン・ハプスブルク=ロートリンゲン。ハンガリー国王としてはフェレンツ・ヨージェフ1世、オーストリア帝国内のベーメン国王としてはフランティシェク・ヨゼフ1世ですね。
ウイーンでは絶対食べたいオリジナル「ザッハトルテ」
- ザッハトルテをめぐるホテル・ザッハとデメルとの争い。デメルがホテル・ザッハとの契約により、ザッハトルテを作り始めるも、後にホテル・ザッハがその差し止めを求め裁判で争う。
- 判決は、オリジナル・ザッハトルテの名称はホテル・ザッハに、デメルは単にザッハトルテとして売るようにどちらにも販売許可。双方の味を楽しむのは勿論、ホテル・ザッハは円形エンブレム、デメルは三角形エンブレムと見た目も楽しめます。
ホテル・ザッハがザッハトルテの元祖なんだけど、デメルはウィーンの皇室御用達カフェだから無下にはできない。大人の事情が入った判決だったんでしょうね。
★カフェ・ザッハ
- 1832年創業カフェザッハは、ウィーン国立歌劇場(オペラ座)目の前にある、世界で唯一オリジナル「ザッハトルテ」を提供できる店。
- ザッハトルテとは、チョコレート生地のスポンジであんずジャムを挟み、さらにチョコレートでコーティングしたケーキ。
- 創業当時から約190年、秘伝のレシピは門外不出。
- 住所:Philharmoniker Str. 4, 1010 Wien
チョコレートケーキなんて日本でも食べられるけど、結構な時間、行列に並んでこのザッハトルテを食べたときはこれがオリジナルなんだって感慨深かったです。しかも美味しかった。
★カフェ・デメル
- ウィーンの皇室御用達カフェ「デメル」。王宮と劇場のすぐそばという地の利を得て、古くはハプスブルク家御用達菓子店の地位を築く。
- 「本物」のザッハトルテを提供しているだけでなく、皇妃エリザベートの好んだスミレの砂糖漬けも人気。
- 住所:Kohlmarkt 14, 1010 Wien
ホテル・ザッハとデメルの「ザッハトルテ」を簡単に見分ける方法があるんですよ。ホテル・ザッハのは上に乗っているチョコが丸型。デメルのは三角形なんです。
ウイーンの見どころ 12選
シュテファン寺院
- ウィーンのシンボルとも言えるカラフルな屋根が特徴的なゴシック様式の美しい「シュテファン寺院」。近くのケルントナー通りがウィーンの目抜き通り。ここを中心に散策するのがお勧め。
- モーツァルトが結婚式を挙げた事でも有名な寺院で、内部はバロック様式の祭壇、美しいステンドグラス、荘厳なパイプオルガン等、見どころ沢山です。
- 寺院の2つの塔は上まで登る事が出来、北塔はエレベーター、南塔は137mを343段の階段で上がります。お勧めは南塔、ウイーンを一望できる感動を味わえます。
- 住所:St. Stephen’s Cathedral Stephansplatz 3 1010 Vienna, Austria
ウイーン観光のヘソともいえるシュテファン寺院。ウイーン観光はここから始まりここで終わると言っても過言ではありません。街の中心にデンと建ってます。
シェーンブルン宮殿
- ウィーンのメイン観光スポット、世界遺産の「シェーンブルン宮殿」。モーツアルトも、エリザベートも、マリーアントワネットもここの住人です。
- 宮殿内はガイドツアーで見学します。約30分インペリアルツアーと、約60分のグランドツアーがあります。チケット売り場に行列を避ける為、出来るならオンラインで予約することをお勧めします。
- 住所:Schlosstrasse 47, Vienna 1130, Austria
内部ツアー以外にも動物園や、グロリエッテ、温室、日本庭園など見どころが多いので、ここの観光には半日くらいの時間を確保しておくことをお勧めします。
美術史博物館
- 1872年、フランツ・ヨーゼフにより建設された「美術史博物館」。マリア・テレジアの銅像を挟んで並び建つ建物、自然史博物館と美術史博物館の総称です。
- 天井の絵画、大理石の柱、壁の彫刻、建物そのものが荘厳で美しいです。クリムトの壁画、フェルメール「絵画芸術」は必見です。
- 住所:Kunsthistorisches Museum Wien, Maria-Theresien-Platz, 1010 Wien, Austria地図を見る
兎に角、すごいコレクションを誇る美術館です。ブリューゲルの「バベルの塔」やラファエロの「牧場の聖母」など、昔、美術の教科書で見た絵が山ほどあります。
ウィーン市庁舎
- ネオゴシック様式の美しい「ウイーン市庁舎」。内部は無料ガイドツアー見学可能です。ホールや会議場など、歴史を感じさせる美しい装飾が見どころです。
- 目の前の市庁舎広場では1年を通じて様々なイベントが行われています。タイミングよくイベントの開催時に訪れられたら嬉しいですね。
- 住所:Friedrich-Schmidt-Platz 1, 1010 Vienna, Austria
尖塔の一番上には「ラートハウスマン」(Rathausmann,“市庁舎の男”の意)と呼ばれる、旗を持った騎士の像が立っています。この像は鍛造職人のルートヴィヒ・ヴィルヘルムからウィーン市への贈り物で、デザインの基になったのはマクシミリアン1世が使っていた鎧であるといわれています。
ウィーン国立歌劇場(オペラ座)
- 1869年5月25日のこけら落しには、皇帝フランツ・ヨーゼフI世と皇妃エリザベートの臨席の下、モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」が上演された世界でも指折りの歴史、伝統を持つ歌劇場の1つ。オペラやバレエの聖地と言っても過言ではありません。
- 内部は劇場のツアーで見学可能。建築学上からも卓越した建物を、玄関ロビー、階段ホール、大理石の間、シュヴィント・ロビー、グスタフ・マーラーの部屋、観客席を見学しながら、歌劇場の歴史、オペラ、建築について日本語で説明を聞く事ができます。
- 住所:Opernring 2, 1010 Wien, Austria
オペラって意外と安く鑑賞できたりするんですよ。演劇が見えず音だけ聞こえる席は数百円で購入できました。前の席の方が途中で退席したので途中から良い席で鑑賞できました。
ベルヴェデーレ宮殿
- 優美なバロック建築の「ベルヴェデーレ宮殿」。オーストリア帝国の英雄オイゲン公の夏の離宮として建てられ、その後、ハプスブルグ家が使用。現在は中世からのオーストリア美術を展示するギャラリーとして利用されています。
- 見どころNO.1はクリムトの「接吻」。この絵を見るためにウィーンを訪れる価値のある1枚です。またシーレの作品も多く収蔵されています。
- 住所:Upper Belvedere, Prinz-Eugen-Strasse 27, Vienna 1030, Austria
このクリムトの接吻。特に好きな作品という訳ではないんですが、目の前にした時は30分以上眺めてました。なんか良いんですよこの絵。
オーストリア国立図書館(プルンクザール)
- 18世紀、皇帝カール6世によってバロック式の美しい図書館に改修。ハプスブルグ家の住居だった王宮としても見どころです。
- この図書館にあるドームの美しいフレスコ画は必見。16~19世紀の20万冊にも及ぶ書物、プリンス・オイゲン公の15000以上のコレクションにも圧倒されます。
- 入場料は大人7ユーロ、19歳以下は無料、30分くらいで見学可能です。オペラ座と王宮の間にあり、ちょっと見ていこうかにお勧め施設です。
- 住所:
Josefsplatz 1, 1010 Wien, Austria
カール6世( 1685年10月 – 1740年10月)は、神聖ローマ皇帝。最後の男系男子で、狭義にはハプスブルク家最後の皇帝。さらにハンガリー国王・ボヘミア国王。マリア・テレジアの父。
ホーフブルク宮殿(王宮)
- 13世紀頃に建設されたオーストリアのウィーン中央にある元皇宮宮殿。ハプスブルク家の歴代オーストリア皇帝が住んでいた宮殿であり、広大な敷地内には、旧王宮や新王宮、オーストリア国立図書館、アウグスティナー教会、アルベルティーナ美術館、王宮庭園、乗馬学校、スイス宮などが立ち並ぶ。
- 現在この中にはオーストリアの連邦大統領の公邸や、欧州安全保障協力機構 (OSCE)の常設会議場、オーストリア国立図書館、シシィ博物館、イベントスペース等が置かれている。
- 住所:Michaelerkuppel | Hofburg, Kaiserappartements, Vienna 1010, Austria
ホーフブルク宮殿は、オーストリアのウィーン中央にある元皇宮宮殿。13世紀頃に建設後、ハプスブルク家、神聖ローマ帝国の王宮となり、1918年までオーストリア・ハンガリー帝国の皇帝の宮殿として使われました。
シシィ博物館
- ホーフブルク宮殿(王宮)はとても大きく、沢山の博物館も入っています。その中のひとつみんな大好きエリザベート王妃の「シシィ博物館」を紹介します。
- エリザベート皇后はハプスブルグ家最後の皇帝フランツ・ヨーゼフ帝の妃で、今でも世界中の人に愛され、彼女の人生をテーマにミュージカルや映画も制作されました。そんな王妃やハプスブルク家の生活や、衣服、愛用品等を展示しているのがシシィ博物館です。
- 住所:Michaelerkuppel | Hofburg, Kaiserappartements, Vienna 1010, Austria
元々、皇帝フランツヨーゼフは姉ヘレーネの見合い相手でした。しかしそこで彼に見初められ求婚されたことによってシシイの人生が大きく変わったのでした。
アルベルティーナ
- 元ハプスブルグ家所有の建物を美術館として使用された「アルベルティーナ」。代表するコレクションはヒテンシュタインのBatliner家の「Batliner Collection」。
- モネやセザンヌ、ピカソ、シャガールなど数多くの価値のある絵画コレクションを常設展示しています。
- 見学の所要時間の目安は2~3時間。
- 住所:Albertinaplatz 1, 1010 Wien, Austria
アルベルティーナは、素描が約65,000点、版画が約100万点と世界有数のコレクションを誇るだけでなく、近代のグラフィック作品や写真、建築画なども所蔵。 近年、印象派と20世紀初頭のいくつかが常設展示されています。
ケルントナー通り
- オペラ座から、シュテファン寺院のあるシュテファン広場まで、1キロにも満たない通りですが、ブティック、カフェ、ブランドショップなどが並ぶウィーン随一の繁華街です。
- 夏は大道芸人たちが楽しませてくれ、冬は華やかなクリスマスイルミネーションが通りを彩ります。
大道芸人や絵描きが街を盛り上げ、数えきれないショップがお宝ものを狙う哲太郎の触手を伸ばさせます。確かちょっと変わったワインスクリューを見つけて購入しました。
市立公園(シュタットパーク)
- 公園にある黄金に輝くヨハン・シュトラウス記念碑は公園人気のフォトスポット。他にもシューベルト、フランツ・レハール、ロベルト・シュトルツなどの記念碑、画家ハンス・マカルトや作曲家アントン・ブルックナーの像が立ち、公園でオーストリアの産んだ偉人を学べます。
- 緑の芝生、花壇、木々、大きな池など、ウイーン市民の憩いの場。我々も観光に疲れた時、ちょっとベンチで一休みなどにお勧めですよ。
- 住所:Stadtpark, Parkring1010 Vienna
大きな街には必ず大きな公園があって、市民だけでなく、散策に疲れた旅人も癒してくれます。水辺のベンチで綺麗な風景を楽しみながらサンドイッチを食べました。
ウイーン まとめ
- ウイーンの街はそんなに大きくはない。リンクシュトラーセという環状道路の内側に見どころがぎゅっと詰まっています。しかし、見どころが多いので観光には最低2日、できれば3日確保したいですね。今回の書いた12の見どころ以外にも多くの見どころが有ります。
- ウイーンを深く理解するためにはやはりハプスブルグ家のことを学んでから行くべきと思います。私は中野京子さんの「ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)を買って、行きの飛行機の中で読みました。お陰で現地で見た建物、絵画など感慨深く見ることができました。
ウイーンの街を一言でいうと「おしゃれ!」。ノスタルジックとモダンが上手く融合され、街を歩いていても、歴史的な建物を散策してもなんだか優雅な気持ちになれます。
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