パリに行ったらヴェルサイユ宮殿に行きたいんだ。行き方とか魅力、歴史とか教えてくれよ。
ヴェルサイユ宮殿の魅力はその荘厳な建築、広大な庭園だけじゃないんですよね。マリーアントワネットの悲劇がその魅力に華を添えているんですよね。
ヴェルサイユ宮殿について
ヴェルサイユ宮殿旧城 | |
英名 | Palace and Park of Versailles |
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仏名 | Palais et parc de Versailles |
面積 | 1,070 ha (緩衝地域 9,467 ha) |
登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (1),(2),(6) |
登録年 | 1979年 |
拡張年 | 2007年 |
備考 | 2007年に緩衝地域が設定された。 |
公式サイト | 世界遺産センター(英語) |
- パリの南西22キロメートルに位置するイヴリーヌ県ヴェルサイユにある。バロック建築の代表作で、豪華な建物と広大な美しい庭園で有名。1979年世界遺産には登録されました。宮殿のファサードは400メートルもあり、左右対称の構成としています。正面玄関は東面のU字型に凹んだ位置にあり、大通りがパリの方向にのびており、西側は庭園に面しています。
- ヨーロッパの宮殿に多大な影響を与えたヴェルサイユ宮殿。我々を魅了するのはその美しさだけでなく、そこで繰り広げられた歴史にもあります。歴史を大きく変えたフランス革命の舞台でもあり、マリー・アントワネットという美しき悲劇の女王を産んだ場所でもあります。
日本人がヴェルサイユ宮殿に魅了されるのはその美しさや荘厳さだけではなく、そこで繰り広げられた歴史や物語のためかも知れませんね。
ヴェルサイユ宮殿の歴史
- 元々ルイ13世が狩りを行う際に滞在する施設として1624年に建築。その後、太陽王ルイ14世によって現在宮殿に改装されました。建築家のルイ・ル・ヴォーとジュール・アルドゥアン=マンサールが設計、画家のシャルル・ル・ブランが室内装飾、庭園は造園家のアンドレ・ル・ノートルが担当。
- その後、ルイ15世やルイ16世が邸宅として使用し、ルイ16世紀の妻マリー・アントワネットもフランス革命で処刑されるまでここで暮らしました。
- 19世紀には、皇帝ナポレオンが邸宅にしようとしましたが、修繕コストが高すぎて断念。ただヴェルサイユ宮殿の敷地内の「グラン・トリアノン」を別荘として使用しました。
- 19世紀末から徐々に修復が行われ、21世紀の今も鏡の間の修復や庭園の樹木の植え替えなど修復が続いています。
狩りをするときに滞在する施設として造られたって狩りに何人連れて行ったんだ。フランスの国王っていったいどんな権力を持っていたんだろう?
マリー・アントワネットとヴェルサイユ宮殿
- ヴェルサイユ宮殿の魅力はその美しさ荘厳さもさることながら、マリー・アントワネットのドラマチックな人生もその魅力の1つではないでしょうか。
- ルイ16世の妃としてオーストリアから嫁いできたマリー・アントワネット。着替えや食事、お手洗いから入浴まで、全てを人に見られプライバシーの無い生活に、やがてアントワネットは豪華な衣装など、贅沢で気を紛らわせるようになってゆきます。
- その頃、王制廃止を唱える人々が現れ、民衆の生活が困窮しているのは王妃の贅沢が原因だと訴え、フランス革命でアントワネットは捉えられ処刑されます。
「食べるものが無いならケーキを食べればいいんじゃない」って本当にマリーアントワネットが言ったかは知りませんが、プライベートのない生活にアントワネットが贅沢で気を紛らわしたには少し同情しますね。
パリからヴェルサイユ宮殿の行き方
電車で行く場合(早いけど駅から歩く)
- パリ市内からヴェルサイユ宮殿へはフランスの国鉄・SNCF「N線」と「L線」と高速鉄道「RER C線」が運行、ヴェルサイユ宮殿にもっとも近い駅は「ヴェルサイユ シャトー・リブゴージュ駅」なので、「RER C線」の利用がおすすめです。
- 「RER C線」は、パリ・モンパルナス駅からヴェルサイユ シャトー・リヴゴージュ駅まで約30分ほど乗車、運賃は片道で3.65 ユーロ。ヴェルサイユ シャトー・リヴゴージュ駅からヴェルサイユ宮殿の正門までは、徒歩で約10分ほどです。
バスで行く場合(歩かないけど時間が掛かる)
- バスでパリ市内からヴェルサイユ宮殿に行く場合、メトロ9号線の終点ポン ドゥ セーヴル駅まで地下鉄で行って、駅のバス乗り場のRATPの171番から乗車します。
- バスは約40分の乗車時間、ヴェルサイユ宮殿の正門前で下車できます。運賃は地下鉄とバスを合わせて約3.8ユーロ(約597円)。しかし地下鉄+バスで1時間半くらいみた方が良いです。
バスはヴェルサイユ宮殿の正面まで行くので迷うのが嫌ならバス一択です。電車は実は3つの行き方がありますがお勧めは「RER C線」。最も近い駅に着きます。
ヴェルサイユ宮殿の見どころ
ヴェルサイユ宮殿の内覧
太陽門〜宮殿正面
- ヴェルサイユ宮殿の2つの豪華な門の1つ「太陽門」。金色に輝く豪華な装飾が特徴。
- この門から入る訳ではありませんが、太陽門の左にある入口から宮殿内へ入っていきます。
ヴェルサイユ宮殿に訪れる人々をまず魅了するのは太陽門。黄金に輝く門は当時の人々にも異世界に足を踏み入れる門が如く立ちふさがったのではないかと思います。(哲太郎想像)
金色に輝かせるために10万枚の金箔が使われているそうです。
鏡の回廊
- ヴェルサイユ宮殿の象徴とも言える回廊。まだ電灯がなかったため、蝋燭の灯りとたくさんの鏡で明るさを確保したと言われています。
ヴェルサイユ宮殿といえば「鏡の間」といえるほど宮殿の象徴のような回廊です。長さ73mもある回廊、壁には357枚もの鏡。当時高価なこの鏡を造らせるためにヴェネチアから鏡職人を連れてきたそうです。
王室礼拝堂
- ルイ16世とマリーアントワネットの挙式も行われた黄金の祭壇と天井絵の美しい礼拝堂。
- 2階建ての礼拝堂となっており、ミサの際には王族は2階席に列席していたそうです。
王室礼拝堂は、王室の主席建築家であったジュール・アルドゥアン=マンサールによって1699年から11年もの月日を要して建築させました。床には大理石が敷き詰められ、天井にはキリスト教の教理である「三位一体」を表現したフレスコ画が描かれてます。
王妃の寝室
- マリー・アントワネットが使ってたと言われる王妃の寝室。王妃はお手洗いも、出産の様子も侍女たちに見られ、プライバシーがない生活だったそうです。
お手洗いも出産の様子も侍女たちに見られる生活って、マリーアントワネットはどんな気持ちだったのだろう。14歳で政略結婚で嫁いできてプライベートもない生活ってなあ。
王の寝室
- こちらは王の寝室。カーテンに仕切られた椅子があり、その椅子に座っている時だけが、王が一人になれる時間だったそうです。
プライベートがないのはマリーアントワネットだけじゃないんだな。王様もベッドの上の僅かなスペースだけがプライベートが確保できる場所だったって、王様に生まれなくて良かったぜ。
ヘラクレスの間
- 現在の礼拝堂が完成する前、王室礼拝堂があった場所。天井画は宮廷画家フランソワ・ルモワーヌが描いた「ヘラクレスの栄光」。この絵が部屋の名前の由来です。
- 壁に飾られた大きな絵画「シモン家の宴」は、1570年イタリア人画家のパオロ・ヴェロネーゼの作品。1664年にルイ14世に贈られました。
- 絵の中央でキリストの足を拭いている女性はマグラダのマリアです。
この部屋はヴェネチア共和国からルイ14世に贈られた絵画『シモン家の食事』を飾るために造られたんだってさ。1枚の絵画のために部屋を作るってなんて贅沢なんだ。
豊穣の間
- 元々、豊饒の間は軽食やカフェ、ワインなどを振舞った部屋とのことですが、左右対称の豪華な部屋です。
- ルイ14世が自身のコレクションを置き、人々に披露した部屋とも伝えられています。
王様(ルイ14世)の自慢のコレクションって凄いんでしょうね。宝石とか絵画とか壺とか、どんなものだったのか見たい気がしますね。
ヴィーナスの間
- 天井絵はフランス人画家ルネ・アントワーヌ・ウアスによる「神々と強大国を帝国に従わせるヴィーナス」。
- ジャン・ヴァラン作、「ルイ14世全身像」はルイ14世にギリシャ神話のヘラクレスの恰好をさせています。
ルイ14世の彫刻はギリシャ神話のヘラクレスの姿をさせて、強い神格化したんですね。
マルスの間
- フランス人画家クロード・オードランの「マルス」の天井画からその名が付けられました。
- 惑星の火星マルスは戦争の神、もともと衛兵の間として使われていました。
傭兵の間も贅沢ですね。王室のために海外から集まってくれた傭兵は重要なお客様だったんですかね。(哲太郎想像)
メルクリウスの間
- 人々が王に直接嘆願書を手渡すことができたといわれるメリクリウスの間。天井画の戦車に乗る軍神メルクリウスから名付けられたそうです。
- この部屋では、からくり仕掛けの振り子時計も見どころ。1706年にルイ14世に献上された時計との事。
王様に直接嘆願書を渡せたって良い話だぜ。こんな部屋まで用意してもフランス革命は起こってしまったんだよな。嘆願書の願いは叶えられなかったのかな。
戴冠の間
- ヴェルサイユ宮殿の絵画で最も有名なのが戴冠の間に飾られているジャック・ルイ・ダヴィットが描いた「皇帝ナポレオン一世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式」。
- オリジナルはルーブル美術館に所蔵されていますが、これもジャック・ルイ・ダヴィットが描いたものだそうです。。
「皇帝ナポレオン一世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式」のオリジナルを描いた画家に複製を描かせるなんてなんて贅沢。同じ画家が描いたなら複製ではないのか?
ヴェルサイユ宮殿の離宮
プチ・トリアノン(小離宮)
- ルイ15世が公妾「ポンパドゥール婦人」のためにつくり、後にマリー・アントワネットに贈られた離宮。
- アントワネットはプライバシーのない宮殿から逃げ、このプチ・トリアノンで気の知れた側近たちと過ごしたといわれています。
マリーアントワネットが安らぎと余暇を楽しめる唯一の場所。そして王妃の所有物であったので、彼女の許可なしには誰も立ち入ることはできなかった。それは夫のルイ16世でさえ例外ではなかったと言われています。
王妃の村里
- 王妃の村里ではアントワネットがより人間らしい生活を過ごしていました。田園が広がり、水車小屋、菜園も作られ、ヤギや牛、ニワトリなども飼育されていました。
宮殿のお手洗いも出産の様子も侍女たちに見られる生活から離れて、マリーアントワネットが人間らしい生活を過ごした村里なんでしょうね。
グラン・トリアノン(大離宮)
- ルイ14世が家族や気の知れた側近たちと過ごすために作られた離宮。大理石がふんだんに使われ「大理石のトリアノン」とも呼ばれています。
- 宮殿から少し離れているので有料の移動車を使うのがお勧めです。
王様(ルイ14世)も気の知れた仲間と過ごす落ち着いた時間が必要だったんだなあ。
ヴェルサイユ宮殿の庭園
フランス式庭園
- ヴェルサイユ宮殿のもう1つの見どころ、広大な庭園。造園師アンドレ・ル・ノートルによるフランス式庭園の最高傑作。
- 広大な敷地に作られた左右対称の華やかな庭園。
元々ヴェルサイユには水がなく、巨大な水車でセーヌ河より水を引き、これだけの噴水や池を多用した庭園を作り上げ、力を誇示したとの事です
ヴェルサイユ宮殿の水は、セーヌ川左岸のブージヴァルに閘門を造って水を堰き止め、そこから、直径11.69 mの水車14輪と200のポンプ群で、高さ154 mのマルリーの丘まで水を汲み上げ、そこから8キロの水道橋によってヴェルサイユ宮殿まで水を引いたとの事ですよ。
ヴェルサイユ宮殿 まとめ
- ヨーロッパでたくさんの建物を見てきたが、ヴェルサイユ宮殿はその荘厳さ、美しさに最も驚いた建物の1つ。兎に角、圧倒された。
- ヴェルサイユ宮殿の魅力はその贅を尽くした建物、庭園だけでなく、マリーアントワネットという悲劇の女王が、フランス革命という歴史的変革の象徴とされたことも、魅力に色付けているのかも知れない。
- ヴェルサイユ宮殿は2度行ったが全ては見切れてない。いつか庭園の端から端までみてみたなあ。
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