ロードバイク買おうと思っているんだけど、コルナゴってどうかな? 歴史は? 価格は? 高いイメージがあるんだけど。
かつては「いつかはコルナゴ!」ってみんなの憧れのブランドでした。何でみんなが憧れるブランドなのか一緒に調べてみましょう。
COLNAGOについて
- かつて「いつかはコルナゴ!」とサイクリスト誰もが憧れる最高峰ブランド、それがCOLNAGO。
- 30数年前、田舎の高校生で自転車メーカーなどブリジストンしか知らなかった私でもコルナゴだけは知っていた。
- イタリアメーカーだけあって、ロードバイクのデザインの美しさに拘っている。
- コルナゴ=高額というイメージが定着しているが、最近はリーズナブルなモデルも出している。しかし重要なのはなぜコルナゴは高額なのかということ、その歴史、技術を掘ってみたいと思う。
COLNAGOの歴史
年度 | 出来事 |
1932 | エルネスト・コルナゴがイタリア、ロンバルディア州ブリアンツァ地方のカンビアーゴで農家の長男として誕生。 |
1946~1951 | 選手として活躍。ロードレース初勝利、以後コッパ・カルディローラを含め13勝。 |
1954 | イタリア ミラノ近郊の都市、カンビアーゴにて7坪ほどの小さな工房で弟のパオロとともに「チクリ・コルナゴ」を開く。 |
1956 | フォークチューブに弾性を持たせるために低温溶接法を自身の工房にて確立。 |
1968 | コルナゴがチームモルテニへ正式に機材供給を開始。コルナゴが製作しチーム名を冠したバイクと共に戦績を著しく伸ばす。 |
1974 | 初めて自身のブランドの名を冠するバイクをプロチーム「Scic by G.B. Baronchelli Colnago」へ供給。 |
1978 | ローマ法王、ヨハネ・パウロ2世にコルナゴ一家が拝謁。黄金に塗られたロードバイクを献上。 |
1983 | 冷間引き抜き工法やジルコ(星形断面)加工を施したリブ入りチューブを採用したMASTERを開発。 |
1986 | F1テクノロジーを自転車に応用するべくフェラーリとのコラボレーションプロジェクトが開始。 |
2000 | フェラーリ社とのコラボレーション「CF1」を発表する。後に続くコラボレーションモデルにはCFの呼び名がつけられた。 |
コルナゴの技術
- 素材との相性や耐候性の点で最適なものとするため、各フレームサイズごとに用意されたジグにチューブとラグを組み合わせて接着。
- 接着材を乾燥させるためにフレームをジグにセットしたまま加熱釜に入れる。
- 各パイプを「ラグ」と呼ばれる継手で接合することによる製法。ラグを用いることにより当然重量が増すが、パイプ1本1本の特性が出し易くしなやかな乗り心地が出せる。
- カーボンバイクであるC64にも同じ製法が用いられこちらはラグもすべてカーボンにして、パイプを繋ぐための特殊な接着剤が用いられる。
- 「スレッドフィット」と呼ばれるアルミのアダプター(ねじ込み式)を先に埋め込むことにより幾度となくBBを交換してもフレームにダメージを与えることはない。
- 一般ユーザーが長い年月のパートナーであり続けるための着眼点。時代の流れに乗りつつも心臓部と呼ばれるほど肝心なBBの設計がフレームの構造上一番重要であることは誰よりも理解している。
フラッグシップモデルの歴史
- 1989年に誕生した初の量産型カーボンロード「C35」から現行モデルの「C64」まで、実に6台の本流フラッグシップモデルと4台の派生モデルが存在する。
- これらのバイクから30年の技術革新の変遷を見ることができる一方、コルナゴが今に継承し続ける大事なもの、理念を感じることができる。
C35 1989年
素材やジオメトリーだけでなくその造形が運動性能に影響することにいち早く着目し、空力特性の高い有機的なフォルムのフルモノコックカーボンフレームを創出。
C40 1994年
初期モデルのラグはアルミ製で96年モデル以降は全てカーボンで製造され、後期モデルになるにつれてシートステーがB-STAYに、チェーンステーがひし形の空洞が特徴的なHPチェーンステーにマイナーチェンジしていく。
C50 2004年
C40のチューブやラグを大径化させて各部の剛性を上げた正常進化モデル。MASTERから続くジルコデザインは東レが生産を請け負うチューブにもしっかり施されている。
C59 2010年
ラグ共に大幅にマッスル化が進んだC59は、伝統のジルコデザインを踏襲しながらダウンチューブ内部に上下方向にカーボンスリットを施し横剛性、ねじれ剛性を飛躍的に上げた。
C60 2014年
創業60周年を記念して発売されたC59の後継モデル。スレッドフィット82.5が新採用されBBシェルが先代から一回り大きくなったことで、今まで以上に太いチューブの使用が可能になった。
C64 2018年
Cの称号を纏ったフラッグシップモデル「C64」は、モノコックフレーム全盛の今日において、頑なにラグフレーム製法というコルナゴの伝統を継承している。
COLNAGOのレース活動
年度 | 出来事 |
1957 | ガストネ・ネンチーニがエルネスト製作のフレームでジロ総合優勝。 |
1960 | ルイジ・アリエンティがエルネスト製作のフレームでローマオリンピックの団体追い抜き競技で金メダル獲得。 |
1962 | 当時まだ16歳のジャンニ・モッタを発掘し、モルテニへ活躍の機会を与えて64年にジロ・ディ・ロンバルディア優勝、65年ツール・ド・フランス3位、66年にジロ・デ・イタリア総合優勝を獲得。エルネストが製作したフレームで活躍。 |
1970 | モルテニのミケーレ・ダンチェッリがミラノ~サンレモ優勝。 |
1971 | エディ・メルクスがモルテニに加入。同年ツール・ド・フランス総合優勝し世界選手権金メダルを獲得。 |
1972 | モルテニのエディ・メルクスがツール・ド・フランスとジロ・デ・イタリアを制するダブルツールを達成。そして同年メキシコシティで、コルナゴが製作したスペシャルバイクでアワーレコードを樹立。 |
1974 | コルナゴが初めて自身のブランドの名を冠するバイクをプロチーム「Scic by G.B. Baronchelli Colnago」へ供給する。 |
1980 | モスクワオリンピックのチームタイムトライアルでコルナゴを駆るソ連代表が金メダル獲得。 |
1981 | フレディ・マルティンスはプラハで開催された世界選手権にて、スプリントでジュゼッペ・サロンニを破った。彼らはともにコルナゴに乗っていた。 |
1982 | ジュゼッペ・サロンニは昨年の屈辱を晴らすべく挑んだ世界選手権で優勝。その直後にサロンニをエースとしたプロチーム「Del Tongo-COLNAGO」が発足しコルナゴが機材供給を開始。 |
1983 | ジュゼッペ・サロンニがミラノ~サンレモをアルカンシェルを着用し優勝。 |
1984 | ロサンゼルスオリンピックの100kmチームタイムトライアルにおいて、コルナゴを駆るイタリアチームが金メダル獲得。 |
1985 | ヨープ・ズートメルクはイタリアのモンテッロで開催された世界選手権で優勝。クロモリバイク全盛の時代でコルナゴ知名度をさらに高めた。 |
1986 | ジョバンバッティスタ・バロンチェッリは過酷なコースレイアウトで有名なジロ・デ・ロンバルディアにて優勝。 |
1995 | マペイのフランコ・バッレリーニがパリ~ルーベ優勝。その後2000年までにマペイがコルナゴと共に5度の優勝を納め、使用されたC40は世界でもっとも過酷なレースにおいて高い性能を実証した。 |
1996 | パベル・トンコフはコルナゴのカーボンバイクでジロ・デ・イタリアを総合優勝。トニー・ロミンゲルがブエルタ・ア・エスパーニャを総合優勝。ダブルツールをコルナゴを達成。 |
2001 | オスカル・フレイレはリスボンで開催された世界選手権で優勝。2004年に2度目の優勝を飾る。95年オラーノ、96年ムセウ、98年カメンツィンと世界選手権をコルナゴが制した。 |
2002 | パオロ・ベッティーニはリエージュ~バストーニュ~リエージュでステファノ・ガルゼッリとワンツーを決める。ベッティーニが勝利を量産した年であった。 |
2010 | 新城幸也選手がジロ・デ・イタリアやツール・ド・フランスのステージ入賞を果たし、世界選手権で日本人として前人未到の9位の成績を残す |
2013 | スベン・ネイスがシクロクロスの世界チャンピオンを獲得。最強伝説を支えたのはコルナゴバイクであった。 |
2015 | 萩原麻由子選手がイタリアのステージレース「ジロ・ローザ」にてステージ優勝を飾る。 |
2017 | イタリアのフィリッポ・ガンナがコルナゴを駆りトラック競技の4km個人追い抜きで世界チャンピオンとなる。 |
2020 | タディ・ポガチャル選手がツール・ド・フランス総合優勝。マイヨアポワ(山岳賞)、マイヨブラン(ヤングライダー賞)も獲得し三冠達成優勝。史上2番目に若い年齢での優勝を支えたのは勝利を請け負うVシリーズ「V3-RS」。 |
2021 | タディ・ポガチャル選手がツール・ド・フランス連覇。三賞獲得での連覇は史上初。 |
COLNAGOのラインナップ
C68
- 完成車Disc Titanium仕様 DURA ACE Di2
- 税込 ¥2,090,000
- Cシリーズ最大の特徴であるラグとチューブのパーツ構成を見直し、より自由度の高い設計を可能にした。チューブとラグを一体化させるモジュールストラクチャー製法により緻密なジオメトリー調整が可能となった。
V3-RS
- フレームセット
- 税込 ¥759,000
- 優れた振動吸収性。高負荷にも充分応える剛性の高さ、軽量なフレームにも関わらず、その乗りやすさのギャップに乗り手は良い意味で期待を裏切られる。
G3-X
- 税込 ¥561,000
- 低重心、ロングホイールベースはコルナゴ伝統の優れた直進安定性を際立たせながらも、回頭性と中高速域の加速の良さを得られる。
Master LX-21
- スレッドフォーク仕様
- 税込 ¥404,800
- ホリゾンタルスタイルのフレームジオメトリーは、当時のスタンダードであった深いポジションを容易にするためであり、その数値は今も変わらず。
コルナゴ まとめ
- コルナゴファンの皆さんには申し訳なかったが、私はコルナゴは「かつて一世風靡したブランド」だと思っていた。でも今回、コルナゴを纏めてみてその気持ちを改めた。
- コルナゴは古い技術に拘っているのではなく、その技術に誇りを持っているのだと良く判った。
- 「いつかはコルナゴ!」、その気持ちがまた蘇ってきた。
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