困っ太くん
この前に「積み立てNISA」について教えてくれたけど、お得な投資法としては「iDeCo」もあるじゃん。iDeCoについても教えてくれよ。
哲太郎
解りました。ちょうど2022年法改正で誰でもiDeCoが使えるようになったので、積み立てNISAとの違いやiDeCoのメリットとデメリットを整理してみますね。
iDeCo(確定拠出年金)について
- iDeCoとは自分で自分のために年金を準備する制度です。
- 自分で掛け金を拠出し、自分で運用する。受取額は運用成績によって変わります。
iDeCoとつみたてNISAについて
特徴(大きな違い) | |
つみたてNISA | 1.運用益に税金が非課税になる。 2.いつでも止めて現金化できる。 |
iDeCo | 1.運用益が非課税だけでなく、住民税や所得税など税金対策にもなる。 2.基本的には60歳まで現金化できない。 |
iDeCoのメリットについて (節税編)
- 住民税と所得税が軽減できる。
- 運用益に税金が掛からない。
- 受け取るときに退職金や年金として控除が適用される。
詳細説明:1住民税と所得税が軽減できる。
- 税金計算の際にiDeco掛け金を課税所得から除外して所得計算してくれます。
- 例えば、年収700万円のAさんが毎月23,000円の掛金を積み立てた場合、1年で約83,900円も所得税・住民税が軽減されます。
- ①所得税の控除額276,000(掛金年額)×20.42%=56,359円
- ②住民税の控除額276,000(掛金年額)×10%=27,600円
- ①+②=83,959円
困っ太くん
何これ、メッチャいいじゃん。見方を変えるとこれって国が積立金額の30%を負担してくれるとも言えるんじゃない。しかも運用益にも課税されないんでしょ。他にもメリットある?
哲太郎
まだあります。それでは節税以外のメリットを紹介しますね。
iDeCoのメリットについて (その他編)
- 給料天引きや銀行自動引き落としで、確実に積み立てできる。
- 自己破産等などの時も差し押さえ禁止財産であること。
- 転職時にも次の会社へ移行が可能できることが多い。
困っ太くん
ここまで聞いたらやらない方が損だって感じがしてきたよ。こんないい制度にデメリットとかはあるの?
実はiDecoには最大のデメリットがあります。始める前にここは絶対抑えてください。
iDeCoのデメリットについて
- 基本的に60歳まで現金化できない!
- 元本割れリスクがある投資商品であること。
詳細説明:基本的に60歳まで現金化できない!
- 国が「あなたの年金作りの手伝いを節税等で支援するから、iDecoを貯金と勘違いしないでね」って言ってるように感じてしまうような縛りですよね。
- また下の図のように60歳になれば誰でも直ぐに受け取れる訳でもありません。運用期間によって受取年齢が決まっています。
iDeco 運用期間 | 受取り年齢 |
10年以上 | 60歳 |
8~10年 | 61歳 |
6~8年 | 62歳 |
4~6年 | 63歳 |
2~4年 | 64歳 |
0~2年 | 65歳 |
困っ太くん
ちょっと難しくなったぞ。お金に困ったとき、iDecoに何百万円貯まっていても現金化できないのかあ。
哲太郎
その点で考えるといつでも現金化できる「つみたてNISA」と比較してしまいますね。
iDeCo(確定拠出年金)の始め方
- 2022年10月より、基本的に誰でもiDeCoが使えるようになりました。
- 最も簡単なのは勤めている会社に「確定拠出年金」制度があるか。有るのであればその制度を使えば、給料天引きから節税対応までお任せで完了できます。
- 会社にその確定拠出年金制度がなければ。銀行、証券会社、保険会社等でiDeCo口座を開く必要があります。ただこの場合、節税のためには年末調整や確定申告で支払った税金を返却してもらう必要があります。
- 銀行、証券会社でiDeCo口座を開くなら、手数料や信託料が安いSBI証券、楽天証券などのネット証券がお勧めです。
困っ太くん
今は基本的に誰でもできるんだ。金額はいくらでもできるの?
職業別iDeCoへの月額最大拠出金額
- 元々は自営業の方の、公的年金が少ないための対策制度でした。現在は基本的に誰でも使えます。
- 色々条件があります。特に会社員の場合、会社に確定拠出制度や企業年金制度があるか無いかで月額最大救出金額が変わってきますので、ご注意ください。
- 専業主婦など給料収入がなく、住民税と所得税を支払っていないのであれば、iDeCoのメリットは少ないと思います。いつでも現金化できる「つみたてNISA」の方が良いのではないでしょうか。
職業 | 月額最大拠出金額 | 備考 |
自営業者など | 68,000円 | |
公務員など | 12,000円 | 私立学校教職員含 |
専業主婦 | 23,000円 | |
会社員A | 20,000円 | 企業型確定拠出年金に加入 |
会社員B | 12,000円 | 企業年金等に加入 |
会社員C | 23,000円 | 企業型確定拠出年金に未加入 |
iDeCo(確定拠出年金)か、つみたてNISAか
- 万が一急に大きな資金が必要にあっても、貯金等で対応可能であれば絶対iDeCo(確定拠出年金)がお勧め。(iDeCo(確定拠出年金)は60歳まで解約できないから)
- 万が一の時は現金化できた方が良いと不安を感じるなら「つみたてNISA」がお勧めです。
困っ太くん
iDeCo(確定拠出年金)は本当に魅力的だけど、60歳まで受け取り出来ないのは不安なよな。
哲太郎はどう考えたんだ。教えてくれよ。
哲太郎
私はiDeCo(確定拠出年金)は初めは1万円だけ運用していて、50歳過ぎてから2万円に増額しました。負担ない範囲で始めてあと10年の所で満額運用にしました。
iDeCo(確定拠出年金)って絶対に満期まで受取りできないの?
- 基本的にはできません。契約者が死亡または重度の障害者認定されたら受取可能なようです。障害給付金、死亡一時金という形で60歳まで待たずとも受け取り可能です。
- 死亡一時金は遺族が請求することで支払われますが、3年以内に請求しなければ非課税の支払いの役得権利は失われてしまいます。
iDeCo(確定拠出年金)の受け取り方
- 60歳を過ぎたら年金、一時金、または併用で受け取ることが可能です。
- 受取時に税金を最小化するには、退職所得控除の範囲内で一時金として受け取り、公的年金控除の範囲内で小分けで受け取るのが最もお得な受取り方です。
- 一時金の非課税枠は「iDeCoの運用期間×40万円」となります。非課税で受け取り可能です。
受け取り方のもう1つの考え方
- iDeCo(確定拠出年金)は最長75歳まで活用できます。逆に考えると非課税口座が75歳まで使用できるということです。非課税口座はできれば維持したいですよね。
- 60歳で受け取りばかり考えるとこのメリットを見失いがちです。iDeCo(確定拠出年金)を受け取り始めながら、他の課税口座で資産運用するのであればiDeCo(確定拠出年金)を65~75歳まで続けるのも選択肢の1つかと思います。
iDeCo(確定拠出年金) まとめ
- iDeCo(確定拠出年金)は運用益が非課税だけでなく、住民税、所得税などの節税効果も見込めるのが最大のメリット。
- 基本的に60歳まで受け取り出来ないので、万一の資金に不安が有るのであれば、いつでも解約(受取り)できるつみたてNISAとの比較も必要。
- 60歳になったら即受取ではなく、いつまで運用するか、どのように受け取りするかを考えるのも重要。
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